生前対策の落とし穴をフォローした事例

お客様のご状況
旦那様から農地の一括贈与を受けていたDさん。
ご自身もご高齢となり生前対策として、農地を現金化しようとしたところ生前の売却が難しいことが判明。
贈与の際、顧問税理士から贈与税を免除できるとの提案を受け、贈与の手続きを完了していましたが売却などについては知らされていなかったとのことでした。
そこで、農地以外の資産も含め、相続時にお子様たちが困らないよう対策したいと、当センターにご相談へいらっしゃいました。
・推定相続人:夫、長男、長女、二男
・財産状況:農地、自宅、テナント、金融資産少額、銀行借り入れ
当センターからの提案&お手伝い
今回、農地の売却が難しいと問題になっているのが、農地一括贈与と「贈与税の納税猶予」の特例を適用したものと推測されます。
この制度は、農業を営んでいる人が「農地の全部ならびに準農地の一定部分をその農業を引き継ぐ推定相続人の1人に贈与した場合、贈与を受けたる人に課税される贈与税の納税が猶予される」という特例です。
ただし、この特例は贈与を受けた人が「農地等について農業を営んでいる限り」となっており、特例適用途中で売却や転用・耕作放棄をしてしまうと、免除されていた贈与税に加えて、多額の利子税を一括で支払う義務が生じます。
(贈与をした人または受けた人のいずれかが死亡した場合に、その納税が免除されます)
以上の点を踏まえ、①遺言書による分割対策(争族回避)と②税金・負債について税理士と再検討をご提案しました。
①遺言書による分割対策(争族回避)
自宅・テナントを長男に相続させ、収益を生むテナントを継がせることで、将来の修繕費や固定資産税を賄えるようにする。
農地は税理士に確認の上で、利子税などを払っても今現金化する方が良いのか、誰も農業を引き継がない場合は相続発生後に売却・分配してもらう方法が良いのか検討する必要があると考えられます。
また、兄弟間で不公平感が出ないよう、長男が不動産を多く相続する分、長男自身の資産やテナント収益から長女・二男へ「代償金」を支払う旨を遺言に記す方法もあります。
併せて、「付言事項(ふげんじこう)」を活用し、「なぜ長男に不動産を継がせ、農地についてはこのような形にしたのか」というご本人の想いを書き添え家族に伝える方法がおおすすめです。
法的な効力はありませんが、家族間の感情的な対立を防ぐ最大の武器になります。
②税金・負債について税理士と再検討
顧問税理士に、ご自身の希望を含めた税金についてのアドバイスを求めて再検討が必要と考えられます。
まず農地について、「当時は節税のみの説明だったが、今の家族の希望は現金化である。利子税を払ってでも今売るメリットがあるのか、それとも相続まで待つのが正解なのか、数字で示してほしい」と相談するようご提案。
また借入金があるとのことで、どの不動産に紐付いているのか、長男が不動産と一緒に引き継ぐ能力があるのかを精査するようにご提案し、旦那様のご相続も含め、「二次相続」の観点からも、税理士に沿う宇段する用アドバイスをしました。
結果
当センターのアドバイスを基に、顧問税理士・ご家族ともご相談され、遺言内容について方針を決められることが出来たと感謝のお言葉をいただきました。
その後、私共で公正証書遺言の作成のお手伝いと、相続発生時に遺言執行までのご提案をさせていただき、Dさんにもご安心いただく内容で解決へと導くことが出来ました。
生前対策を行うことは重要ですが、節税など一方行からの視点ではなく多角的な視点で検討をしなければ思わぬ落とし穴が潜んでいることもあります。
様々な士業が連携してご相談いただける、当センターの無料相談をぜひご利用ください。
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